この『小説』が面白かった
面白かったんだけど、どうしてもノンフィクションとして読んでしまい
これを元に考えを再構築しそうになる。
『小説』だと断ってるのにだ。
それと同時に、この文章が事実であればいいのに、いや、事実なんだと思いたい自分を発見する。
そこで、改めて思い出した。
『作家はウソをつくのが仕事』である。
これは、学問でもノンフィクションでもない以上、全ての作品が『ウソ』なのである。
歴史好きの人が、司馬遼太郎が危険だから嫌いだ。という理由が、やっと理解できた。
だから、作家は自分のウソが通用するのを楽しまないわけにはいかない。
もっともらしいウソをつく。
ひるがえって、今人気のあの作家もこの作家も、みんなスレスレ感のウソをつくのは、それが商売であり、正しいからだ。
ウソが通用するのを楽しんでるんだよ。
その意味でも、常人の神経をしていないのだ。
作家の文章は、ノンフィクションだと書いてない限り、ウソだと考えたほうが良いとも思うようになった。
ぼくは、さらに文芸に付き合うのが苦痛になった。
ウソに付き合ってあげる必要はない。
文芸嫌い。