類人猿では、ガンつけするのは、常に順位の弱い方で、主に立場の強いものから食べ物をねだる時に多い行動だとか。
さらに、諍いがある場合、必ず順位の低い方にみんなが味方するんだとか。
ゴリラもチンパンジーも、ボスはたまらなくなって、食事をおごるのだそうで。
部下に食事をおごるのがヒトを含めた類人猿の特徴 !
ガンくれるのは、弱いものの特徴なのですよ?
ボスは、たくさん食えるんじゃなくて、一番最初に食えるんですな。
■ヒトとサルを分けるモノ
「父という余分なもの―サルに探る文明の起源―」
読了
この作者によると、人類と他の類人猿が別れた時の最初の特徴は、
「求められなくても与えること」つまり、進んでおごることだそうで。
食べ物をその場で食べず、仲間のもとに持ち帰り共食するのが、ヒトと他の類人猿を分ける特徴だとか。
二足歩行や脳の増大よりも前に、現れただろうと推測してます。
これは、ガンくれられるが、怖かったり、可愛かったりする感情を持ったからなんでしょうね?
同じ釜の飯を食うことが、人間の条件だったのきゃ!
■順位が低いオスは、子孫を残せない?
そんなこたないです。
類人猿もカエルもカモ?もクマノミ?も遺伝的には、地位が一番のオスの子供ばかりじゃなくて、大概半数くらい順位の低いオスの子供がいるんだとか。
それどころか、ボスになる戦略ではなくて、おこぼれに預かる戦略の生物も多く、人間に近い種では、オラウータンなんかは
ボスとボスワナビーは顔に円盤ぶっさしたようなフリンジと呼ばれる脂肪コブがデキて、ボス争いをするんですが、実はというか、やっぱりフリンジなしオスのコも半分くらいいるそうです。ボス争いに入ってない連中ですら子供を持つことができるわけです。
■カエルなんか、オカマ戦略ですぞ?
さらに一歩進んで、カエルなんかは、交尾の際にオカマ戦略を取るものまでいます。
ある種のカエルは、産卵の際に、何百匹も集まって、団子状になって、池にタマゴを産んで放精します。普通のオスガエルは、メスガエルサイズの動くものを見ると、何にでもしがみついて、産卵を促すマッサージをしまくります。
オカマ戦略ガエルは、メスにマッサージをせず、逆にオスにマッサージをさせます。そうしながら、メスがほかのオスに産卵を促されるのを待ち、産卵のタイミングに素早く近づいて、ちゃっかりタマゴに放精をして、受精させちゃうわけです。
■ 劣勢遺伝子は死ぬべき?
よく、いじめの文句に「劣勢遺伝は生きる意味ない!滅びるべき」ってのがアリますが、多くの動物は見るからに優勢だから反映したり、劣勢だから滅びたりはしません。
中立進化説的ですが、仮に中立進化説が成り立たず、ダーウィン的劣者淘汰が成立するとしても、人間に簡単に観察させてくれるほど、世の中簡単じゃないみたいですぞ?